「週休3日・下限年収1000万」採用ツイートが話題に! 日本のエンジニア事情 プログラマーの方必見!

最近、こちらのツイートを目にした人は多いのではないでしょうか。私もこのツイートを知り、なるほどなと思いました。そのツイートをした方は、くぼけー / 無人コンビニ600@keikuboさん。

弊社が採用してる水土日休みの週休三日制なら、毎日が「休日」か「休日明け」か「休日前」なんです。これって凄くないですか?
ちなみに明日は水曜だから休み!だから、全力で今日も頑張るよ!仕事やり切るよ!

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さらに、続いてこのようなツイートも。

弊社水曜休みの9-18時でエンジニアの下限年収1000万なのですが、ハードウェア(エレキ、メカ)、ソフトウェア(フロントエンド、サーバーサイド、Android)のエンジニア絶賛募集中です。DMください。エンジニア含め働くメンバーが肩肘張って自分の成果主張しなくても正当に評価される会社にしたい!

7月6日から1週間足らずの間に投稿した一連のツイートは、累計で8万以上のリツイート、20万を超える「いいね」を集め、久保さんのアカウントに集まった応募DMは700通を超えました。

多くの人たちが注目したのは、「週休3日制」「エンジニアの下限年収1000万」という破格の待遇でしたが、ツイートをよく読むと、採用基準は決して低くないことが分かります。久保さんは一体どんな目論見でこれらのツイートを投稿したのでしょうか。ご本人に話を聞いた記事をご紹介します。

600株式会社 代表取締役 久保 渓さん(<a href='https://twitter.com/keikubo' target='_blank' rel='nofollow noopener noreferrer'>@keikubo</a>)
600株式会社 代表取締役 久保 渓さん

想像を超える程の大反響。応募者の“質”は?

久保さんは、日米で4社の起業と2度の事業売却を経験した連続起業家。こんなすごい方だったんですね。現在は自ら代表を務める600で、飲み物や軽食、文房具、雑貨などをキャッシュレスで気軽に買えるオフィス向け無人コンビニ『600』を提供しています。

ところで、この「600」、私も気になったので、この「600」調べてみました。

今日の目次

  • 「600」と「オフィスグリコ」の違い
  • 今回のツイートの背景
  • 採用手段としてのツイッター
  • 現在のエンジニアの環境
  • バイトリーダーとは?

600とは

オフィス向け無人コンビニである「600」。オフィスで働いている方ならわかる方も多いと思うんですが、言ってみれば、「オフィスグリコ」みたいなものです。では、私の会社が導入しているオフィスグリコとどう違うのか、も含めてご紹介しましょう。

①従業員が欲しいものをコンシェルジュにリクエストできる

「600」は、LINEやSlackなどのチャットツールから専任のコンシェルジュと直接コミュニケーションできるので、従業員一人一人のニーズに対応することが可能です。一方、オフィスグリコは、まだまだアナログ。リクエスト用紙がオフィスグリコの用品の近くにおいてあり、そこに手書きで記入する仕組みです。実際に私も書いてみたんですが、リクエストに応えてはもらえませんでした・・・。その理由も分かりません。その点、lineなどのチャットツールなら、双方向のやり取りができ、顧客満足度も違うでしょうね。

②3000種類以上の品揃え組み合わせは自由自在!!

「600」は、従業員のリクエストや購買データから、あなたのオフィスにぴったりの品揃えを提供します。小腹を満たすお菓子から日用品まで組み合わせは自由自在です。一方、オフィスグリコは、グリコのお菓子やアイス、ドリンクだけなので、言っても数十種類だけです。そんなに選択肢は無いですね・・・。コンビニにはかないません。

③キャッシュレスで簡単決済

クレジットカード決済対応。もう小銭を持ち歩く必要はありません。また、代金回収がないので、毎月の売り上げ金額計算からも解放されます。キャッシュレス決済については、最近オフィスグリコも、ペイペイを導入し、私の会社でもペイペイ決済を利用可能です。でも、欠点が一つ。ペイペイだと、オフィスグリコの商品近くにあるバーコードを読み取って、金額を「自分で」入力して、決済するんですが、極端な話をすると、「1円」と入力しても決済できちゃうんです。もちろんそこは信頼関係で成り立っていると思うので、そのような悪い人は居ないという前提での契約は契約ですし、不正が横行したら契約破棄なんてこともあり得るとは思いますが、故意ではなくてもミスは有り得るでしょうし、正直微妙なシステムでまだまだだなと思っています。その点、この「600」のようにクレカ決済可能なら、そもそも間違えることもないですし、不正も出来ないですよね。安心のシステムと言っていいでしょう。

今回のツイートの背景

このように魅力のある「600」。久保さんによれば、「今年の1月と3月に総額4億円の資金調達ができたこともあって、約1年ぶりに全職種の採用を復活することにしました。以前の採用ではWantedlyやMediumといったウェブサービス経由で、多くの方にご応募いただいた経験があったので、まずは自分のTwitterアカウントで告知をすることにしたんです」とのこと。

600株式会社 代表取締役 久保 渓さん
「オフィスコンビニ『600』には、お弁当や日用品まであらゆるカテゴリの商品を最大“600品”も置くことができるんですよ」

そこで7月9日から投稿を始めると、エンジニア向けにつぶやいた11日の投稿には、500を上回るリツイートと、1200を超える「いいね」がつきました。しかしその後、久保さんは、この反響はあくまでも序章に過ぎなかったことを知ることになります。

「その後に投稿した『週休3日制』をテーマにしたツイートには、なんと8万を超えるリツイートと20万を超える『いいね』がついたのです。採用告知なので、話題になるような投稿でないと意味がないとは思っていましたが、まさかここまでの反響があるとは思っていなかった。正直言って戸惑いましたね(笑)

結果、久保さんのアカウントには700通を超えるDMが殺到。およそ8割弱が営業やビジネスデベロップメントへの応募で、残りの2割がエンジニア、CFO候補への応募が10名弱だったと言います。すごい人はたくさんいるもんですね。私もまだまだ頑張らないといけません。

採用手段としてのTwitter

久保さんは、「Twitterのポテンシャルを見くびるつもりではなかったのですが、反響の大きさには改めて驚かされました。ただ、同時に『勤労意欲の乏しい人や、お金目当ての人ばかりだったらどうしよう……』と、当初は不安も感じていたんです(笑)」と言いますが、その不安は良い方に裏切られることになります。

「すでにエンジニアを中心に、30名ほどの方とお会いしたところ、採用できる人数が限られているのが申し訳なくなるほど、どの方も能力が高くて人柄も申し分ない人たちばかりでした。応募全体で見ると、応募者の年齢は、インターン希望の大学生から50代のベテランまで幅広く、また、女性からの応募が4割を占めていて、他の求人媒体とは違い広い層にリーチできたと感じます。当初は軽い気持ちの応募が多いと予想していましたが、皆さんツイートを見た後にしっかり募集要項を読み込んでくださっていて、“真剣に”転職先候補として考えてくださっている印象を受けました」

とのこと。もはや、ツイッターも有力な採用手段の一つになりつつあるんですね。

日本のエンジニアを取り巻く環境は“過渡期”

とはいえ、反響が大きかった割に、エンジニアの応募は全体の2割、70名ほどしかいなかったというのは少ないように思えてなりません。しかし久保さんは「これだけでもかなり凄い数」だと評価。その理由は次のツイートを見れば分かるでしょう。

「スキルは数学的・CS的素養、VPoE的な組織的スキル、ビジネス的なソフトスキル、アーキテクチャパターンなどの実務的スキルなど、各々の方で魅力がありつつ、弊社の6つのバリューとして掲げる、愛、誠実さ、責任感、柔軟性、仲間を助ける利他性、局面を変える力を持つ方と一緒に働きたいです。」

「当社が求めるエンジニアは、実務レベルの能力が高いこともさることながら、数学やコンピューターサイエンスの素養をお持ちの方です。日本で採用するとなると、それだけでも条件は厳しいのですが、さらに当社が掲げる6つのバリュー(上記ツイート参照)にフィットしているかも問うので、採用候補の母数は決して多くありません。ですから応募者のうちの半分でも、1/3でも選考基準を満たしている方に出会えるのであれば、決して少なくないと思っています」

加えて久保さんがツイートにあえて「下限年収1000万」と書き添えた理由には、「エンジニアの能力と報酬について、議論が巻き起こればいい」という思いもあったと明かします。

「世界的に見ても、日本のエンジニアの年収は決して高くありません。日本企業では経験の浅いエンジニアと、トップクラスのスキルを持つエンジニアが一緒くたのように扱われているケースが目立ちます。本来、コンピューターサイエンスの素養を持ち、経営のあるべき姿を理解して、ビジネスインパクトの高い仕事ができるエンジニアは、そうでないエンジニアに比べて5倍以上の報酬を得たとしても不思議ではないはず。ですが、日本ではそこまでの差がついていないのが現状です。

600株式会社 代表取締役 久保 渓さん

もしそれが、日本から世界を変えるようなサービスが生まれない状況の一因だとしたら、変えるべきなのは言うまでもないでしょう。事実、能力と報酬の関係に不満やギャップを感じているエンジニアは増えてきています。一方で、日本でもテックカンパニーを中心に、『優れたエンジニアには高い報酬で遇すべきだ』という流れができつつあり、今は丁度その過渡期。だからこそ、あのツイートが多くの人の心に刺さったのではないでしょうか」

確かにそうですね。最近は様々な企業で、エンジニアを高給で採用し始めています。時代がそういう時代になっているのと働き方改革も相まって、これからどんどんこのような企業は増えてくるでしょうね。そして、エンジニアが不足してるのは有名な話。慢性的なエンジニア不足のなか、今後エンジニア自身が自らの能力開発と評価に対してもっと敏感になれば、人材流動性が高まるでしょう。そうなれば、彼らを適切に遇することができない企業からエンジニアが離れていくのは明白でしょう。

「能力の高いエンジニアを自社につなぎ止めようと思ったら、企業は常に従業員のポテンシャルやスキルを最大限発揮できる環境を、維持し続けなければなりません。評価する側・される側にもある種の緊張感が問われますが、質の高いサービスを作り上げるには必要不可欠なことだと感じています」

久保さんのように、現状をすごく理解されている経営者がどれだけ日本にいるんでしょうかね。今の段階で私はかなり少ないと思っています。今、自分が20代だったら、絶対に死に物狂いでこのような業種、業務に飛び込むのに普通に事務職などに就く若者がもったいなさすぎて仕方ありません。そのような若者は現在の日本、これからの日本について少しでも勉強しているんでしょうか。

“柔軟性”を鍛えるため、時には「バイトリーダー」に

久保さんが指摘するように、今が日本のエンジニアを取り巻く環境が変わるための過渡期だとすると、今後エンジニアは何を大切にしてキャリアを積むべきなのでしょうか?

「最近はあまり聞かなくなりましたが、ついこの間まで『エンジニア35歳限界説』なる通説が幅を利かせていた時代がありました。『30代以降は開発よりマネジメントに携わるべき』というステレオタイプがある種の説得力を持っていて、実際に盲信する人も多かった。でも今は、エンジニアが目指すべきロールモデルは多様に存在しています」と久保さん。

開発経験を生かしてCTOやVPoEとしてマネジメントに携わる道がある一方、年齢にかかわらず、開発現場の一線でコードを書き続ける道も開けています。エンジニア自身が経営者としてビジネスを興すことも珍しくなくなりました。技術はもちろん、エンジニアのキャリアも日々進化しています。ここ最近、急激にプログラミングなどの専門学校が増えたと思いませんか?実は私もやっています。最近滞っていて反省していますが、これを機に再開しようと思っています。プログラミングは本当に奥が深い。そして、完全文系の私も面白いと思えています。

続けて久保さんは語ります。「つまり、エンジニア自身があらゆる選択肢の中から、自由にキャリアを選べるようになりました。それと共に、これからのエンジニアには、『時代の変化に合わせて能力を高め、自分を変え続ける柔軟性』が必要になると感じます」

しかしエンジニアは、技術を選定し実装することが主な仕事。合理性や決断力が問われるあまり、柔軟性が失われがちだと久保さんは見ています。

600株式会社 代表取締役 久保 渓さん

「柔軟性を高めるために、当社では一人が複数の職務に携わる“兼務制”という制度を採用しています。私自身、会社の代表であると同時に、六本木にある商品補充拠点『プラネット』の一メンバーとして、客先へ商品を補充しに行くこともあるんですよ。

偉い人ほど『立場』に依存して、個人としての本質を見失ってしまいがちです。だから、立場や役割が変わっても『そのポジションで適切に振る舞えるのか』ということを定期的にチェックする。自らを振り返るきっかけにもなり、とても効果的な取り組みですよ」と久保さん。

素晴らしいですね。正直、こういう人の下で働きたいです。というか、「一緒に」働きたいって思いますね。絶対に成長できるし、有意義な人生になるだろうなあと思っています。

「もちろん、同社のような兼務制を取り入れている企業は少ない。しかし、オープンソース活動への参加や技術系の勉強会の主催など、社外にも目を向ければいくらでもチャンスはある。家庭内での役割だってそうです。会社では代表取締役として、最終的な決断を下す立場ですが、家の中では自分を、決定権のない『バイトリーダー』と位置付けて、日々、妻や子どもの意思を尊重し、日常のタスクを完遂することに心を砕いています(笑)。意識的に行動すれば、環境が変わっても、ちゃんと『目標達成のために正しく振る舞えるかどうか』を知ることができるんです

聞けば聞くほど素晴らしい人ですね。私は尊敬する一人としてこの方の名前を覚えることにします。年下ですが、そんなの関係ありません。今後の活動にも注目します。

自分を取り巻く環境が変わっているのに、振る舞いや考え方が変わらなかったとしたら、柔軟性が失われているサイン。注意が必要ってことですね。

「何事も経験を積むと『これってこんなもんだよね』という定石ができがちです。定石は合理的な判断に有用ですが、一方で全く新しい価値観が台頭したときには、太刀打ちできないという脆さも内包しています。ですから決断力を持つのと同じくらい、定石を捨てる勇気が必要。そのためにも柔軟性を保つことが大切なんです」

これからの時代、ビジネスの中でテクノロジーの果たす役割は重くなる一方ですよね。それにつれてエンジニアが求められる場面もますます増えていくでしょう。しかし、時代が変化しても活躍するためには、自ら変化し続けることが欠かせません。

わたしも、時代の流れには置いていかれないように、常にアンテナを張って、ブログにSNSに楽しみながら頑張って発信し続けていこうと思っています。

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