副業?複業?「サイレント副業」 勤め先とのトラブル防ぐワザ

終身雇用が崩れる流れは止められないでしょう。その流れを受けて、副業が関心を集めているのは皆様ご存知のとおり。しかし、まだ副業を認めていない企業のほうが多いのです。

『「複業」のはじめ方』(同文舘出版)を書いた藤木俊明氏は「今は過渡期。したたかな立ち回りが求められる」と、静かなる副業スタートを促しています。今日はその本のレビューなども含め、転職や起業も見据えた副業ということに焦点をあててお話しようと思います。

今日の目次

  • “好き”や“得意”で稼ぐには
  • 就業規則によってはリスクも
  • 本業があるうちに余裕を持ってスタート
  • 専門知識を社会貢献に生かす視点も
  • 普段の仕事ぶりが物を言う

■“好き”や“得意”で稼ぐには

本書の副題は「会社を辞めずに“好き”“得意”で稼ぐ!」。つまり、著者はあくまでも勤め先を退職しない、マルチな働き方を推奨しています。私は今の副業を本業にして早期退職しますけどね。編集プロダクションを自営している藤木氏は「自分自身、辞めなくても済んだと、今は思える」といいます。

ニュースでも話題になりましたが、あのトヨタ自動車でさえ終身雇用を守り切れないと認める時代になってきましたよね。「同じ企業で最後まで勤め上げるというのは、現実味が薄れつつある」(藤木氏)。定年延長を受け入れつつ、勤め続ける場合でも、50代以降の年収ダウンは避けにくい状況。だから、生涯にわたって生計を維持するうえでも、別の収入源を確保したいですよね。

副業には「もう一つ別の」というイメージが強いですが、藤木氏は「1つと言わず、2つ、3つの収入源を得られれば、その分、リスクヘッジがきく」と、「ワンモア志向」の先へと背中を押します。それがタイトルが「副業」ではなく、「複業」になっている理由です。

確かに、複数あった方がリスクヘッジはもちろん、収入アップも見込めます。そしてその分自分自身にもスキルが身に付きます。やらない手は無いでしょう。

しかし、現実にはまだまだ「副業解禁」は世の大勢にはなり得ていません。「ざっくりした感じでは企業の7割以上は認めていないようにみえる」と語る藤木氏。

日本経済新聞社が実施したアンケート調査の結果によると、回答を得た約120社のうち約5割の企業が従業員に副業を認めていたそうです(5月20日付日本経済新聞朝刊)。ただ、「制度化している」と答えたのは19.0%にとどまっています。

でも、たった120社ですからね。日本には400万社以上あると言われてますからあてにならない数字でしょう。

容認派の残り30.6%は「制度はないが副業を認めている」という立場。社員から届け出を受ければ、個別に判断して認めるといった対応がこの30.6%に含まれます。しかし藤木氏はこうしたグレーゾーンが必ずしも「解禁」を意味しないとみています。「申請を出してみると、理由をこしらえて、会社側が認めないケースもある」と語る藤木氏。「5割が解禁」は正しくはないようですよね。

■就業規則によってはリスクも

現場の判断が揺れる過渡期にあって、藤木氏が提案するのは、必ずしも真正直に届けを出さない「サイレント副業」の形。

絶対それの方が良いですよね。そもそも会社に奴隷のように従う必要はないと断言します。

「過去に認められた例が少ない企業では、寝た子を起こすようなルール通りの申請は、可能性を断たれてしまいかねない」と、藤木氏はあえて申請を先送りする意味を説明。

私が強く言いたいのは、就業規則に副業禁止の規定があると慎重な判断をする方も多いかもですが、副業なんて誰にも言わなきゃまずバレませんよ。そして自分が副業やってると誰かに言っても、「そうなんだ」だけでその域を出ないと思います。それに、たとえ副業やってるって噂が広がってもどうやって確認されるんですか?そんな個人のことを。個人情報が厳しい時代ですし、確認しようがないですよ。

過去にいくつも認められた前例があり、担当部署や上司のジャッジを前向きに期待できる場合は、前例にならって届け出たほうが安心して副業に取り組めるでしょうが、副業が話題になってきているのはようやくといったところ。まだまだ副業については油断大敵です。気を許して届け出てしまうと自分が損することになりかねません。とにかく黙っているのが吉だと私は思います。

さて、藤木氏が副業を応援する理由は、ほかにもあります。近ごろは働き手の年収ピークを以前よりも若い時期に設定する動きが広がってきたんです。「45歳程度を過ぎると、年収アップが難しくなり、50代半ばの役職定年で、水準がドンと落ちる」といいます。落ち込みを穴埋めする意味からも、50代である程度の実入りが望めるような副業が関心を集める状況にあるようです。

うちの会社はそんなことはありませんが、そもそも私は50歳で早期退職するので、それまでには、このまだ副業と呼べるか分からない業を、本業にします。副業をやっている皆さんはどうする予定ですか?

そして、最近論議を呼んだ「老後2000万円不足」問題も、副業人気に拍車を掛けているそうです。あんなこと言われたら誰しもそう思いますよね。仮に65歳、70歳へ定年が延びても、既に給与水準は引き下げられていて、ピーク時の半分以下まで減っている可能性が高いです。45歳以降にダウンしている場合は、貯蓄期間がさらに縮まります。ならば、副業で補いたいという発想がわくのは当然と言えば当然な流れです。

ただ、副業を始めれば、すぐに収入につながるという思い込みは、失敗を招きやすいと、藤木氏は警告。コンビニエンスストアでのアルバイトのような時間給の仕事は、労働と対価の関係がダイレクトだが、「せっかく副業を始めるのなら、労働時間の切り売り型ではない、自己実現タイプを考えたい」。

確かに私もそうですが、副業とはまだまだ全然呼べません。気長に辛抱強く継続しなければなりません。お金を稼ぐということはそういうことです。楽をして稼げるなんてことはないんです。継続は力なりとはよく言ったもので、私も強く感じております。継続しなければ何も分からないし何も始まらない。その先の世界なんて誰にも分からないんです。

■本業があるうちに余裕を持ってスタート

最初のうちは、技能やノウハウを積み上げる期間ともなるので、望み通りの収入を得るには至らないことも覚悟が必要です。時間を掛けて練り上げるつもりで、腰を据えて取り組むのは、成功した人たちに共通する点だそうです。

私はまだ成功していない挑戦者の立場でしかないので偉そうに言ってしまいすみません。でも、こういった志を同じくした方々と一緒に頑張っていけたらなって気持ちも込めてブログを書いているのもありますので少しでも頑張ろうと思ってくださる方が居てくれたらうれしいです。

さて、逆に、多くの人が失敗する理由に、藤木氏は「最初から金もうけを意識しすぎる」という勘違いを挙げています。以前から特別なスキルや才能を持ち合わせていれば、話は別ですが、いきなりの副業で、そうそう現金収入につながるはずもないんですよね。序盤での期待しすぎは禁物といえそうです。

当初は収入が見込みにくいからこそ、「本業がちゃんとあるうちに、余裕を持って、スタートするのが賢いデビュー方法」と語る藤木氏。最初の副業以外に、第2、第3の選択肢を試すうえでも、本業からの安定収入は心強いものですよね。

「目先の収入を当てにしなくて済むという心理的余裕は、副業をじっくり熟成させていくうえでもプラスに働く」といいます。藤木氏はこうした助走期間のことを「滑走路」と呼んでいます。安全な離陸には、かなり長くてしっかりした滑走が欠かせないようですね。

しかも、「副業を頑張っている」という気持ちを常に持っていることで、今のサラリーマンとしての仕事が嫌でも、ちょっとした余裕が生まれます。もちろん、副業が成功するとは100%言いきれないですし、誰にも分りませんが、どんな形であれ、自分にスキルは着実に身についていることは確かなんです。私もブログやプログラミングなど色々と本気で取り組んでみて、こんなにも知らない世界が、知らないことがあったんだと驚くと同時に喜びに満ち溢れています。

当面、収入を期待しなくて済む滑走の形として、藤木氏が勧めるのは、専門的な知識やスキルを社会貢献に生かす「プロボノ」。無償ボランティアのケースが多く、収入面での期待度は小さいです。「もうからない副業」とも映りますが、藤木氏は「勤め先の外に人的ネットワークが広がるメリットは小さくない」と説いています。

確かに、勤め先以外のネットワークというのは最近増えているとよく聞きます。私は正直まだ抵抗があります・・・。もともとそういうのが得意じゃないですし、そういったことで余計なストレスを感じたくないんですよね。そういうのに抵抗が無い方なら打ってつけだと思いますがね。この辺は無理をせずに、個人に合わせた形、で良いのではと思います。

確かに、プロボノで知り合った相手を介して、別の取引先を紹介してもらったり、プロボノ仲間同士でプロジェクトを立ち上げたりと、様々な広がりが期待できる可能性はあります。社会貢献が柱だからこその隠れた利点もあるでしょう。副業が勤め先にばれた場合でも、「金もうけではない」と主張しやすいです。ボランティアを禁じるのは、「企業市民」としての正義感を問われることになりかねませんからね。

■専門知識を社会貢献に生かす視点も

経験を積んでから、勤め先に「実は」と副業を明かす場合も、プロボノであれば、認めてもらえる可能性が高くなりそうですね。実費相当分以外の金銭的利益を得ていないというのは、「本業の勤め先に割と通りがいい」と語る藤木氏。会社に正直に言いたい方は、まずはプロボノでの副業を認めてもらい、徐々にネットワークを広げて、本格的な副業解禁のタイミングを待つという戦略も現実的な対応になるでしょう。

実名が公開されない、オンライン上での働き方も「サイレント副業」の候補になり得ます。売り場に立つようなリアル稼働を伴う副業では、勤め先の誰かとばったり遭遇するリスクを避けにくいですよね。匿名での仕事は、露見リスクを抑えやすいです。ただ、実名が使えないため、個人の知名度を高めたり、ネットワークを広げたりといった効果は得にくくなってしまいます。

実収入が増えると、税務手続きのせいで、勤め先に副収入の存在が明るみに出てしまうのも、心配の種になりますよね。もっとも、確定申告の義務が生じる年間20万円を超える所得を得た場合でも、「勤め先に通知が行かない工夫を施せば、税金に由来する発覚は避ける手がある」と語る藤木氏。

「サイレント副業」を進める一方で、藤木氏が重視するのは、「したたかな告白」。勤め先のキーパーソンを見付けて、副業を始めた事実をこっそり打ち明けるのです。下手をすれば、処罰を受けかねない事案だけに、告白相手の人選びには、細心の注意が必要となります。「本来は経営トップがベスト。次善の策は、視野の広い経営陣。頭の硬いタイプは避けたい」と、藤木氏は候補を挙げています。

でもこれって現実的に考えて不可能ですよね。(^^;みなさん、自分の会社の経営陣にこんなこと言えますか?言えないですよね?上記はかなり特殊なケースと考えた方がよさそうです。

近年は新卒採用の候補者が副業の容認に関して、採用担当者に質問するケースが増えてきたそうです。副業にトライしたいという意識を持って、就職先を選ぶ就活生は珍しくなくなった時代だそうなんです。すごいですよね。つまり、企業に副業容認を求める圧力が人材獲得の面から高まっているわけです。副業を始めたい人にとっては、このムードが追い風になります。

これは正直うらやましいですね。終身雇用が終わりを告げている時代。働き方改革はさらに広がっていきそうです。良いことです。

もちろん、副業を認めてこなかった企業でも、プロボノであれば、容認ハードルは下がりやすいです。就活生向けのメッセージとして、「容認第1号」の実績を作りたい企業との利害も一致しやすいでしょう。こういった状況に理解のあるキーパーソンを見付けて、波風の立ちにくい物言いで副業を明かせば、味方になってもらえるかもしれない。「社内情勢を見極めて、これぞと思う人物に相談したい」と語る藤木氏。

■普段の仕事ぶりが物を言う

打ち明ける相手に選びたくないのは、規則を厳密に運用する立場の人たち。具体的には人事や総務、法務室など。「立場上、弾力的な運用を認めにくく、しゃくし定規の判断をせざるを得ないので、ネガティブな結果につながりがち」といいます。

まさにそうですね。うちの会社はまあ全体的に弾力的な運用を認めにくい会社なんですが、その中でも総務なんて雰囲気も重いし、硬いし、面白くもなんともないです。それから、一生この会社と臨終したいと思ってるような社畜に相談するのももちろん危険です。考え方が相容れませんからね。

誰を相手に選ぶにせよ、普段からの仕事ぶりが物を言います。勤務態度や業績が申し分なければ、反対を受けにくくなるでしょう。「本来の仕事もろくにできないくせに、といった反発を受けないためにも、本業に手を抜かないことが大前提になる」と語る藤木氏。

これも考えようなんですが、副業をやっているような人が普段の仕事も全力でやっていると思いますか?私は思いません。実際私がそうですから。まあもちろん、私の場合は今の会社に愛想尽かしているので、副業だけが要因ではないんですが、副業を頑張っている人で今の本来の勤め先での仕事も全力で、って人の方が少ないと私は思います。

藤木氏のおすすめは農業だそう。競合が起こりにくいのに加え、自営が多く、自然なイメージもいい。実家や親類なら、なおさら理由が立ちやすい。実際、オフィス勤務日を減らす形で、農業デビューを果たした女性会社員がいるといいます。

実現にあたって、最も困る「抵抗勢力」になりやすいのは、身近な上司や同僚。仕事に影響を与えないと説明しても、「やっぱり困る」といった反応を示しがち。

もちろん考えを同じくする人なら、話は別ですがね。

藤木氏のみるところ、「大半はやっかみ」。だからこそ、うっとうしくもあり、「最後の段階まで周囲には一切、明かさないほうが得策」と、藤木氏は職場での「ステルス副業」を勧めています。

目指す金額に関しては「1カ月にプラス5万円を当面の目標に」と、高すぎないゴールを提案しています。年金生活者に聞くと、「毎月、もう5万円あれば、生活が楽になる」という声が多いそうです。この不足分を穴埋めするつもりで取り組むのは、モチベーションを保つうえでも効果的とみています。

仕事を選ぶにあたっては、「個」として能力を発揮できるかを判断基準に挙げています。「せっかく自分の名前で働くのだから、自分らしさを生かせる仕事向きのほうが満足感も大きくなり、成果にもつながる」と語る藤木氏。

日本型の労働慣習が見直しを迫られるなか、にわかに勢いづいている副業ブームですが、仕事を通した自己実現という、本来求めていた「夢」をかなえる機会になる可能性も秘めています。

私は逆に副業を認めない企業なんて、一人の人間の人生の可能性を奪っていると思いますけどね。

大事なデビューを、抵抗勢力に邪魔されないためには、方便としての「サイレント副業」を選択肢に加える意味もあるでしょう。

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