はじめに
就職活動シーズンの本格的な幕開けとなる会社説明会解禁が3月1日に迫っています。
この時期、就活生にとって悩みの種は志望企業に提出するエントリーシート(ES)でしょう。
何をどう書けば良いのか。注意すべきポイントはどこか――。
今日はそんなことについて面白い記事がありましたのでご紹介したいと思います。
本当に読んでくれているのか
本当に読んでくれてるのかと思う方は多いのでは?
そういぶかしんでいるのは立教大学3年生の男子学生。
志望動機や自己PRを書いて提出するESは就活の第一関門。
ディスコ(東京・文京)の調査によると、昨シーズンに就活した2019年春卒業予定の学生は平均14社にESを送っていました(18年7月時点)。
会社ごとに内容を変えねばならないうえ、紙での提出が求められる場合もあります。
学生には大きな負担。
半面、落とされた場合は「ESの内容のどこが良くなかったのか分からない」(私大19年卒の女子学生)などと釈然としないことも多いそう。
熱意を読み取る
「採用シーズンになると目が痛くなって大変なんですよ」。
そう話すのは、ある日用品メーカーの女性社員。
この企業は筆記試験を通過した学生のESを選考材料にしています。
担当者は通常業務をこなしながら、1日に数十枚のESを4時間以上かけて読みます。
そんな日が何日も続くのです。
ESはウェブで届きますが、「きちんと読み込みたい」と全てプリントアウト。
気になる箇所にペンで線を引きながら読むのが彼女の流儀。
「ESには学生の熱意がこもっている。こちらも優秀な人材かどうかを見極めなければならないので、気が抜けないんです」
こんな話を聞けば、学生もESをおろそかにできないと感じるでしょう。
「応募が多く集まる大手や人気企業は一般社員を動員してきちんと読んでいる」
とマイナビの高橋誠人編集長は語ります。
ESの提出を求める企業のうち、面接など次のステップに進む際にESで「絞る」と答えた企業は8割近く。
「明らかにミスマッチの学生を最低限ふるいにかける」(IT企業)、「語学力に基準を設けている」(外資系化学)など、ESがフィルタリングになっているようです。
では企業の担当者は、ESの中で特にどんな記述に注目しているのでしょう。
重視する項目を聞いたところ(複数回答)、いわゆる
「ガクチカ」
と呼ばれる「学生時代がんばったこと」を挙げた企業が8割近く。
また評価の高いESについては、「自分自身をきちんと分析・理解している」「内容の論理展開・整合性がある」がそれぞれ7割以上でした。
ガクチカ=特別ではない
明治大3年の女子学生は
「サークルやゼミも人並みにがんばってきたが、リーダーなど中心の役職に就いた経験がない」
と不安げ。ガクチカに関しては
「答えに窮する」
といいます。
このような悩みを抱える学生は少なくないのです。
人材研究所の曽和利光社長は「何も特別なことをアピールする必要はない」と説きます。
「アルバイトの話題であれば、むしろ単調な作業をいかに楽しんだのかを論理立てて説明すればいい」。
ただし同じ話題でも、書き方ひとつで印象は変わります。
ある製薬会社は「生々しいエピソードや人間模様」をリクエストします。
「リアルなやり取りや心境、どんな行動を起こしたかが表現されていると実感がわく」といいます。
企業の多くはESを、学生の人となりを理解するための材料にしている。
なるべく自分の言葉で、具体的に書くことが望ましいのはもちろんです。
また、ある機械メーカーは自社の採用活動に絡めて「製品見学会や座談会、インターンシップでのエピソード」を読みたいと注文をつけました。
採用側の思いはちゃんと伝わったのか。学生がインターンシップなどの機会をどう吸収して血肉にしたのか――。
設問にもよりますが、そうした要素を加えられれば、ESを介して企業と学生が関係を深められることになります。
もっとも、内容を磨き上げることはもちろん大切だが、探偵が調査を通じて感じたのは、「ある種のテクニックも有効」ということです。
「『第1志望です』という文言に加えて、志望動機がしっかりとしていると印象に残る」(ホテル)。
「結論の部分を大きい字で書いてあると読みやすい」(医療機器メーカー)。
人気企業ともなれば数千枚単位でESが集まります。
「どのESも内容が似たり寄ったりで特徴がない」(旅行会社)と嘆く声もあるだけに、読みやすくわかりやすいESで担当者にしっかり印象づけたいですね。
最後に
逆に評価が下がるESは何でしょう。書き間違いなどは問題外ですけどね。
それは、実に9割もの企業が「他社へ提出した文言を流用したもの」と回答。
締め切りが同時期に重なるため陥りがちな失敗。
ある程度流用は仕方ないですが、企業別に変えなきゃですね。
「志望動機の欄に明らかにウチがやっていない事業について書かれていた」(食品メーカー)。
「競合他社の名前が取り違えて書いてあった」(商社)
といったミスはもちろん致命的でしょう。
中には常識が問われるESもあるそうです。
「『!』や『(笑)』を使ったものもあったそうです。これは有り得ないですね。(笑)
オフィシャルな文書としてふさわしくない」(IT企業)
こうなると社会人失格との烙印(らくいん)を押されるでしょう。
社会に出るとメールはもちろん、日常的に文書をまとめることが多いです。
ESでその能力を見極めていると思っていただいて良いでしょう。
ほかにも「空欄があると、志望度が低いと思ってしまう」(日用品メーカー)
「一つでも空欄があったらアウト」(総合商社)といった指摘もあったそう。
また「ネットからの流用やコピー&ペースト」についても、多くの企業が厳しく見ているようです。
あるIT企業では「よく見かける言い回しがあればネットで検索してチェックする」と明かします。
ESだけで合否が決まるわけではないですが、最初が肝心。出足で失敗することがないように心して臨みたいですね。
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