育児休業明けに不当な配置転換などの嫌がらせを受けたとして、スポーツ用品大手アシックスの男性社員（３８）が提訴した訴訟の審理が、本日、１２日から東京地裁で始まります。日本における男女の平等や、労働者の権利にスポットライトを当てるケースとして注目されている。 さらに今は働き方改革の真っただ中。かなり重要視して私は見ています。
改めて、事件の背景を振り返ってみましょう。
男性は２０１５年と１８年に育児休業を取得。男性によると、最初の育休からの復帰後、物流子会社への出向を命じられたといいます。
男性はインタビューで、
「サラリーマンを４０年くらいやることを考えると１年、２年休んだところで、と考えた」
「父親としてのキャリアを優先したかった」
と語りました。 男性は匿名を条件にインタビューに応じてくれたそうです。
ツイッターでは、２人の子どもそれぞれにつき１年の休業を取得したのは身勝手などといまだに馬鹿げた批判的な声も少なくないのが残念なところ。 男性は、
「もちろん権利はあるので取りたい、でも取れない人、声を上げられない人はたくさんいる」
「誰かが声を上げなければ」
と訴えました。
本当に心から応援します。実際に裁判所に行って応援したいくらいです。ぜひ、この社員の権利主張が認められる、「労働者寄り」の判決が出ることを祈ります。今後のためにも絶対そうであるべきです。
男性は以前は人事関係の仕事をしていましたが、物流子会社では荷下ろしなどの肉体労働に従事することになりました。
男性が弁護士を介して会社と交渉したところ、デスクワークに戻ることが認められましたが、社内規則の英訳など重要性のあまり高くない業務が与えられました。
男性によると、こうした状況は２度目の育休明け以降続いているといいます。
アシックスの広報室は、
「これまで社員の代理人弁護士や、社員が加入した社外の複数の労働組合も交えて順次、誠実に交渉を続けてきたが、最終的な解決に至らず残念。今後は裁判の中で事実を明らかにしていきたいと考えている」
と指摘。
その上で
「当社はダイバーシティの推進に力を入れており、妊娠・出産・育児の期間にも活躍できるよう、今後とも職場環境や支援制度の一層の充実に取り組む」
としました。
育休を取った男性が不利益を被ったとする訴えは最近増えています。みなさんが声を上げるようになって本当に素晴らしいことです。 三菱ＵＦＪモルガン・スタンレー（東京）では、元エクイティセールスマネジャーのグレン・ウッド氏が、育休からの復帰後にハラスメントを受けたとして提訴。カネカでは、育休明けの男性社員に転勤を命じたことを男性の妻がソーシャルメディアに投稿し、同社への批判が殺到したのは記憶に新しいですよね。
ウッド氏の弁護士の今泉義竜氏は、
「（育児休暇を取ろうという男性の）母数は増えている。取りたいけれど取れない、取った結果トラブルに、という人が増えているという意味では、氷山の一角とは言える」
「泣き寝入り、あるいはもう諦めている人がたくさんいる」
と語りました。
政府のデータによると、男性の育休取得率は昨年はわずか６％に過ぎず、大半は休業期間が１週間以下にとどまっています。
首都圏青年ユニオンの原田仁希氏は、
「これまで女性が受けてきた、出産や育児をめぐる不利益というのを、男性も育児に参加するようになって、同じように差別を受けるようになってきたのでは」
と述べています。
まさに私も同感です。でもそこで、声を誰もあげなかったら何も変わりません。こうして声を上げる方が増えていたのは小さいですが、着実な進歩と言えるのではないでしょうか。
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