はじめに
新型コロナウイルス対策に向けて、政府がIT(情報技術)大手や携帯電話会社に協力を呼びかけていた利用者データの提供に応じる動きが出てきました。
位置情報や閲覧履歴なども対象になるため、個人のプライバシーが守られるか懸念する声があります。
個人情報を適切に保護しつつ、集めたデータを効果的な感染防止策につなげられるかの両立が課題となります。
個人情報は最近国民はとても敏感になってきています。
本当に気を付けなければならない問題です。
各社の対応
ヤフーは3日、利用者データの分析結果を政府に提供する方向で調整中と発表しました。
早ければ週明けにも協定を結びます。
3月末に政府が米グーグルなど各社に協力を要請したのですが、応じる姿勢を示したのは初めての例となります。
最近の例ですと、厚生労働省から、LINEでアンケートのお知らせが来たことも記憶に新しいですよね。
提供するデータは検討中ですが、「プライバシーに十分配慮し、そのまま渡すことはない」(広報室)といいます。
同社は利用者の閲覧履歴や購買情報、位置情報など多様なデータを持っています。
これを個人が特定できない集団データに加工するといいます。
お願いしますよほんとに。コロナが一刻も早く収束するなら国民はいくらでも協力します。
政府が民間各社からデータを集めるのは、感染拡大やクラスター(感染者集団)発生を防ぐ各種対策の効果検証に使うため。
先ほどご紹介したLINEも2日、対話アプリを通じて集めた2453万人分の健康調査の結果を厚生労働省に提供しています。
政府は集めたデータを使い、これまでの感染拡大防止策がどれだけ有効だったか検証します。
人と人の距離を一定に保つ「ソーシャル・ディスタンス」の取り組みや、夜間の外出自粛要請、休校措置などの効果を調べます。
例えば、年代別に匿名化された個人の位置データがあれば、夜間の都心部でどんな場所に人が集まるかの傾向や、学校が休校中の若者の行動範囲などがつかめます。
感染者が発生した後、どこでクラスターが生じたか詳しい検証もできます。
こうしたデータは、今後のオーバーシュート(爆発的な感染拡大)の防止策にも生かします。
外出自粛などの施策を強化した場合、経済活動や日常生活への負荷も大きいもの。
企業が持つ詳細な利用者データを分析し、効果的な対応策につなげます。
データ提供への課題
データ提供には2つの課題があります。
第1にプライバシー保護の徹底。
ここはほんと頼むで!って感じですよね。
各社はヤフーと同様、誰のものかわからない「統計情報」に加工して渡すとみられます。
政府関係者がモデルとして想定するのが、NTTドコモが2013年に商用化した「モバイル空間統計」というサービス。
同社は全国の携帯基地局を通じてユーザーの位置情報を集め、500メートル四方ごとの人口変動を、24時間365日測定。外部に販売し、防災計画の策定などに使われます。
同社はプライバシー侵害を防ぐため事前に、専門家により指針を作成。
契約者の携帯番号と詳しい住所は削除し、年齢も「20代」のように丸めるなどの工夫を施しました。
ただ今回は、提供元の企業が複数でデータの種類も多岐にわたる可能性があります。
どんなデータがどう加工されるのか、政府などは利用者に十分説明する必要があります。
第2の課題は「データの種類」の壁。
例えば電子商取引(EC)サイト運営企業と携帯大手では保有するデータの種類や形式は異なります。
複数のデータを組み合わせて解析するには、それらの差を埋める作業が必要。
データの種類や加工方法は、厚生労働省と企業側が相談し、個別にデータ提供協定を結びます。
政府関係者からは「一定のひな型が必要になるかもしれない」との声も出ています。
コロナ、とにかく一刻も早く収束してほしいです。
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