新型コロナウイルスのまん延であらわになったのは、人間の猜疑（さいぎ）心。
最初は中国や日本への偏見が目立ちました。
その後イタリアやイランでも感染者は急増し、今や世界各地で買い占めなどの騒動が起きています。
感染を防ぐため大規模集会やイベントも自粛を要請。
経済的損失に加え、この過程で香港の民主派デモはなし崩しに終息を迎えるなど市民運動への影響も看過できません。
スペインは8日の国際女性デーに参加したモンテロ男女共生相が感染を公表。
12万人が集まる大規模集会への参加は不用意との批判も出ました。
私たちはこのウイルス禍で連帯できなくなってしまったのでしょうか。
そうではないと信じましょう。
避けるべきはウイルスであり、人ではありません。
日本では国際女性デーに際し、一般社団法人ウーマンイノベーションが全国35カ所で開催予定だったイベントの一部をオンライン配信に切り替えました。
就業に関しても、多くの企業で在宅ワークやオンライン会議などの迅速な対応がなされています。
危機は人々に働き方・暮らし方の急速な変容を迫ります。
今後も起こり得る予測不能な危機に際し、ICT（情報通信技術）は新たな共同性の創造に向けて整備されるべき。
コミュニケーション形態の変容はこれまでも世界を変えてきました。
文字、活版印刷、電話、さらにはインターネットに至るこれらの技術は、人と人との共同体（コミュニティ）を変えてきたからです。
もっとも、日本でICTは経済振興以外がおろそかになっている感は否めません。
一斉休校で中、仏など諸外国ではオンライン授業への移行が推奨される中、日本は後れを取っています。恥ずかしい話です。
民間教育産業のオンライン教材は盛況ですが、国民の公教育不信や教育格差を拡大しかねません。
危機に際し経済優先・教育は二の次というこの国の姿勢が露呈した点は残念ですね。
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