人手不足の深刻化や働き方改革を背景に、人材関連市場が急成長しています。
実は人材業界は、就活生に人気の業界って知ってました?ただ、近年は、1つの企業に勤め続けるという働き方だけでなく、転職を考える人も多くなっています。
今回は、人材業界志望の就活生に、人材業界の市場規模と今後の動向についてご紹介します。 さらに以前ブログでもご紹介したHRテックについてもやはり話題になっておりますのでこちらも合わせてご紹介。
本日の目次
- 人材業界って?
- NEXT1000とは?
- HRテックとは?
- AIを活用する企業
人材業界って?
人材業界とは、一言で言うと、企業と働く人をつなぐ仕事をしている業界を指します。やりがいが普通の事務などに比べたらある仕事かもしれませんね。
人材業界は、派遣会社からクライアントの会社に人材を派遣する「人材派遣サービス」、企業に人材の紹介をする「人材紹介サービス」、転職者と企業をメディアでつなぐ「人材広告」、企業の採用戦略や人事計画を立案する「人材コンサルティング」の4つから成り立っています。
気を付けて欲しいのは、なんでもそうですが、理想と現実のギャップです。就活生の想像する人材業界についても例にもれず、現実と異なる事が多いという事です。なぜなら、就活生が関わり、情報が多く入ってくるのは「新卒採用のサービス」であるからです。
就活生は人材業界と聞くと、リクナビやマイナビの情報提供サービスや、エンカレッジの面談などの就職支援サービスなど、新卒採用のサービスを想像することが多いのではないでしょうか?
しかし、実際には、就活市場よりも転職市場の方がはるかに大きいのです。最近は特にその流れが強く、転職市場が活況を浴びているのが分かるはずです。単純に転職市場のほうが大きいその理由は、就活生に対して社会人の方が遥かに人数が多いってことです。その分人材サービスのニーズも高まるのは当然ですよね。
「人材業界で市場規模が大きいのは、新卒採用市場ではなく転職市場」という事実を念頭に置いておくと良いでしょう。
ちなみに、どれだけ人材業界が伸びているのかを表すグラフがあるので見てみましょう。
人材業界の市場規模の推移
人材業界の2017の市場規模は、なんと約7兆円です。
これからも伸びるでしょう。一体なぜでしょうか。
それは、現在、2020年のオリンピック開催に向けたオリンピック関連の仕事が国全体として増えている影響だと言われています。
AIに仕事を奪われる人間が出てきてしまうとはいえ、人材業界はまだまだ可能性がありそうですね。普通の事務などよりはよっぽどよさそうですよ。
NEXT1000とは?
リクルートホールディングスなど海外市場に打って出る大手だけでなく、国内市場を地盤に着実に成長する中堅企業は多いです。IT時代の昨今、ITを駆使したきめ細かいサービス提供が強み。人材関連サービスを展開する売上高100億円以下の中堅上場企業「NEXT1000」を紹介します。
ところで、NEXT1000ってなに?
初めて聞いたこともある方も多いのでは?
NEXT1000とは、日経新聞が「売上高100億円以下の上場企業約1000社」の総称として作った言葉 です。
「あなたの『冷静さ・安定力』は49点。リスクを検討せずにスピードを重視する傾向がある」――。技術者の派遣を手掛けるエスユーエスは派遣する社員の能力や適性を点数で「見える化」するのが特徴。社員向けにアンケートを実施。約200問にも及ぶ質問の回答をもとに、独自開発したシステムが点数をはじき出します。
評価するのは本人の指導力や周囲を説得する力、業務を遂行する力など9つの基礎能力と、関連する36の項目。システムがそれぞれ100点満点で自動的に点数化します。ストレス耐性や自分を良く見せようとする傾向もつかめます。各自の課題を改善するための研修も用意します。システムがここまでできるってすごいことですよね。
ITや電機業界向けの技術者派遣分野では、専門的な技術を持っているのはもはや当然。しかし、交渉能力や責任感など技術以外の強みを点数化してアピールできれば、他社との違いを打ち出せますよね。斎藤公男社長は「ゲーム会社からは『アイデア力が際立った人材がほしい』といった要望がある。こうした顧客の要望に細かく応えられる」と話します。
資質などを数値化する仕組みは慶応義塾大学や中部大学と共同開発しました。自社で活用するだけでなく、外部にも販売しています。人事異動や人事評価に活用する企業や地方自治体など約3000件の導入実績を持ちます。
HRテックとは?
以前、ブログでもご紹介しました、人材サービスに最新技術を駆使する「HRテック」が急速に広がっているんです。新しい分野だけに中堅企業の参入余地は大きいですね。顧客企業のニーズを巧みにつかみ、成長を続けているのがアトラエという企業。
顧客企業の従業員の満足度などを点数化し、離職防止や効果的な人事異動につなげています。「あなたの能力は会社に十分評価されているか」「自社を友人に勧められるか」などを質問。スマートフォンで1回あたりなんと3分程度で回答できます。料金は1人あたり月額300円で、8月時点の採用企業数は前年同月に比べて2.5倍の1000社にもなりました。AGCやLINEなど大手企業も利用しています。
AIを活用する企業
大企業などで人材教育を外部に委託する動きが広がるなか、きめ細かな企業向け研修を展開して事業を拡大する企業もある。
インソースは約2500もの講座を開発。ビジネスマナーや電話対応といった一般的なものから「部下との面談力向上」や「保育士を対象にしたクレーム対応」「LGBT」など幅広いメニューをそろえています。人工知能(AI)を活用して研修の受講者数を予測。舟橋孝之社長は「受講生1人を対象にしたものから1万人向けまで対応できる。業績が研修の流行に左右されにくい」といいます。なんと16期増収を続けています。
アルーは企業の要望に合わせて内容を組み替える「セミオーダー型」の研修を得意としています。たとえば一般的な新入社員向けのビジネス研修を実施。その後、習得内容を確認するため職場に戻った新入社員の日報や週報をチェックして助言するサービスを組み合わせたりしています。
また、中堅企業のなかには特定の分野の人材に強みを持つ会社も多いのです。スマートフォン向けゲームや家庭用ゲーム開発を手掛けるエクストリームは、プログラミングなどの技術を持つデジタルクリエーターを抱え、他社にも派遣。高度技術を維持するための社内研修を実施するほか、ベトナムの人材活用にも取り組んでいます。ゲーム業界は市場規模が拡大する一方、人手不足が深刻化しているんです。「多様な教育や研修プログラムをアピールして優秀な人材を集めたい」(同社)としています。
さらにはSERIOホールディングスのように、既婚女性を主な対象として派遣などのサービスを展開する企業もあります。
矢野経済研究所(東京・中野)によりますと、人材紹介と派遣、再就職支援の市場規模は2018年度推定で約7兆4000億円と前の年度から約1割増えました。人手不足と働き方改革で今後も人材業界の市場規模は拡大するとみられています。中堅企業が躍進するチャンスは大きそうですね。
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