以前のブログで、確定拠出型年金・確定給付企業年金・イデコの違いについてお話ししましたが、改めて今日は転職時の注意喚起としてブログを書きます。
転職時に必要な手続きを忘れ、企業型確定拠出年金(DC)が宙に浮く加入者が増えています。6月時点で81万人と、5年で倍増。放置すれば老齢給付金と呼ぶ年金を受け取れる時期が遅れるリスクがあります。厚生労働省や国民年金基金連合会が注意を促しています。
企業型確定拠出年金の加入者は、転職でその企業の加入者資格を失うと、6カ月以内に資産を転職先か個人型確定拠出年金(イデコ)の口座に移す「移換」と呼ばれる手続きをしなければいけません。
ただこの手続きは十分に浸透していないのが事実。国民年金基金連合会によれば、転職先に企業型確定拠出年金がない場合に、6カ月以内に移換手続きをしていない加入者は半数にのぼります。
手続きをせず、同年金が宙に浮いている期間は、受給要件となる期間に算入されません。このため、長期化すると受給可能年齢が遅くなってしまいます。例えば60歳で受け取るには10年以上、61歳で受け取るには8年以上、掛け金を拠出したり運用を行ったりする必要があるのですが、この期間に算入できなくなってしまいます。
未手続き中、資産は現金化され、国民年金基金連合会が管理します。運用はできず、管理手数料のみが毎月差し引かれてしまいます。DC管理者向けサービスを手掛けるマーケットメーカーズの岡田晃明氏はこうした受給者を「DC年金難民」と呼んでいます。
背景には加入者の認識不足があります。良く調べずに加入した方が多いようです。フィデリティ退職・投資教育研究所が19年に実施した調査では、確定拠出年金の加入者であるにもかかわらず、「DC制度を知らない」と回答した人はなんと2割に達しました。
「投資教育は働く人向けに行われることが多く、退職者向けの情報提供は後回しになりがちだ」と、厚生労働省の西岡隆普及推進室長は語っています。
こうした問題に対応するため厚生労働省は制度を改正しました。18年5月以降は、加入者本人が手続きしなくても自動で移換できる仕組みを整えました。ただ、退職した会社と転職先で、住所や氏名などの個人情報が一致する必要があり、制度改正後も「DC年金難民」は減っていません。
国民年金基金連合会の吉田哲弘企画調査課長は、「(手続きを忘れた加入者には)毎年通知を送付して、個人型確定拠出年金への加入などを促している」と話します。
運用管理機関である第一生命保険は、退職後2カ月が経過しても手続きしない加入者に対しダイレクトメールや電話で注意喚起をしています。
厚生労働省によると、企業型DCの加入者(速報値)は4月末時点で715万人と対象となる会社員の2割近くに増えました。転職が一般的になる中で、潜在的なDC年金難民は今後も拡大する見通しです。
加入者には、この制度の徹底的な周知徹底と、連絡を引き続き行っていく必要がありそうですね。
ところで、このイデコですが、加入条件が様々だったり、加入できても、掛け金の上限額が違っていたりするので注意が必要です。下記のサイトが参考になるので、ご覧いただければと思います。
https://www.fidelity.co.jp/asset-management-course/defined-contribution-pension-system/who
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