任天堂、携帯用「スイッチ」、「ニンテンドースイッチライト」発売決定

任天堂がやってくれました。

主力ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の小型版「ニンテンドースイッチライト」を9月に発売することを決定。

コントローラーを本体と一体化させ、「携帯モード」に特化。テレビに画面を出力することが出来ない一方で、画面を含めたサイズをより小さくし、持ち歩きやすさが向上。また、バッテリー持続時間も、従来のニンテンドースイッチと比べて長くなっています。

今回発表された「ライト」は、19,980円(税抜)とかなりお求めやすい価格です。スイッチのソフトが気になっていた方にとっては、うってつけのタイミングかもしれません。また、新型スイッチの噂は以前からSNSなどで囁かれており、新たな動きを待ち望んでいた方にとっては、まさに待ち望んだ朗報と言えるでしょう。

そして、任天堂が狙っているのは、かねての悲願である「1人1台」の需要創出です。

「ニンテンドースイッチにこの秋、新しい仲間を迎えることになりました」

――。日本時間の10日夜、動画投稿サイト「ユーチューブ」で世界同時公開したスイッチライトの動画に映されたのは、キャンプ場やスポーツジムでゲーム機を友達同士で持ち寄りわいわい遊ぶイメージシーンです。スイッチライトが打ち出す最大の特徴は、気軽に持ち運べる点にある。

スマホゲームが活況を呈しているなか、これは重要ですよね。電車でもどこでも、携帯ゲームをしている人を見ない日はありません。

2017年3月に発売した現行機はもともと、テレビにつないだり、画面部分を卓上に立てかけたりしながら遊ぶ「据え置き型」と、屋外へ持ち出せる「携帯型」の両方の機能を備えていることが売り物でした。

ところが、ふたを開けてみれば、据え置き型として遊ばれるケースが予想より多かったですよね。先ほども携帯ゲームの話をしましたが、世界的にヒットしたスマートフォン(スマホ)向けゲーム「ポケモンGO」が象徴するように、外に持ち出して遊ぶのが、ゲーム機の1つの大きなトレンドなのは間違いないです。

先日の、ドラクエウォークも非常に盛り上がりましたしね。

ある任天堂のOBは米アップルのスマホ「iPhone」を引き合いに出し、「いかに外で目を引く存在になるかが課題」とまで指摘したそうです。任天堂にとっても、携帯性をより高めた機種の開発が急務となっていました。

ずいぶん前の話にはなりますが、1月末の会見では、今後のスイッチの販売戦略について聞かれた古川俊太郎社長は、

「まず一家に1台買ってもらい、1人1台に近い需要を作り出していきたい」

と強調していました。

据え置き型として家の中でテレビにつないで遊ぶ限りは一家に1台あれば十分ですが、外に持ち出す遊び方が広がれば1人1台に近づきます。その役割を担うのがスイッチライトというわけです。

19年3月期の販売台数が、その前の期に比べ190万台(13%)増の1695万台となったスイッチ。現行機は今春に発売3年目に突入して「飽きとの戦い」を迫られる中、スイッチライトは「スイッチ人気」を再点火することも任天堂社内から期待されているそうです。

「一家に1台」から「一人1台」への脱却を目指す

◆「一家に1台」から「一人1台」への脱却を目指す

ゲーム機は発売から3~4年目を迎えると、販売の伸びが鈍るケースが多いです。スイッチは過去にヒットした「定番」シリーズを投入し、販売を伸ばしてきましたが、今後は「弾不足」を指摘する声も上がるとのこと。4月に発表した今期のスイッチ販売予想の1800万台は、スイッチライトの投入ありきだったそうです。

経営資源の集中も進める狙いもありそうです。今年上半期に1380万本超を販売した大ヒット作「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」をはじめ、スイッチ向けに既に販売している主要なソフトは基本的にはスイッチライトでも遊べる仕様になっており、パッケージ販売するソフトもそのまま差し込めます。

一方、スイッチに続く主力ゲーム機である携帯型の「3DS」の今期の販売予想は100万台と前期実績の255万台から大きく縮小。ゲーム機の高性能化に伴うゲームソフトの開発費の高騰に苦しむのは任天堂も例外ではありません。「スイッチ」に資金や人材などを集中させようとしているのでしょう。

任天堂は中国市場でも、中国大手の騰訊控股(テンセント)と組み、スイッチの販売を模索していますが、参入は「簡単ではない」ため、今期の業績に見通しには含んでいないとのこと。スイッチライトの発売の発表を受け、任天堂株は11日、年初来高値を更新しました。年末商戦の目玉に据えられたスイッチライトが今期の業績に与える影響は大きそうです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です